こんにちは。ライターの西木将勝です。

日本の人気がある観光地の中でも京都はその代表格です。春には桜、夏には青葉や祭り、秋は紅葉、冬は白化粧をした街並みが日本人の心に響きます。

今回のテーマである葵祭は京都の3大祭りに数えられ、このお祭りを見物しようと県内外そして海外からも観光客が足を運んで楽しみます。今回は5月に行われる葵祭を恋人や家族、友達と一緒に訪れた時に、お祭りが何倍にも楽しめるように葵祭の歴史から紹介します。

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京都3大祭の1つ「葵祭」とは

京都のお祭りと言ったら

  1. 葵祭
  2. 祇園祭
  3. 時代祭

を指します。実は現在の京都には300を超えるお祭りがありますが、その中でもこの3つのお祭りは規模の大きさや歴史などから取り分け有名になっています。

ただ、「3大祭り」と言われるようになってからは、時間がそんなに経っておらず近年のことです。

葵祭の歴史

葵祭は古くから京都に住んでいた賀茂氏が五穀豊穣を祈願していたお祭りが興りです。賀茂御祖神社(上賀茂神社)と賀茂別雷神社(下鴨神社)の例祭です。

今では葵祭と呼ばれて庶民から親しまれていますが、元は賀茂祭と称していました。また、南に位置する石清水八幡宮のお祭りと対をなし北祭とも呼ばれていました。

567年に天候があれて作物が育たない状況に悩み、賀茂の大神崇敬者に占わせたところ、賀茂の神々の祟りが原因であるとされました。そのため4月の吉日を選んでお祭りをおこなうと、それまでの風雨はおさまり作物は実り、国が安泰になったといわれています。

819年には朝廷の律令制度として国家的な行事となりました。その後は時代の流れの中で中断を何度か繰り返しながらも葵祭は執り行われ続けています。

葵祭の特徴

葵祭の特徴は平安時代の衣装が再現された優雅な隊列です。源氏物語にも登場する葵祭の華やかな雰囲気は京都以外の他の地域では目にすることはできません。

人を運ぶ動物と言えば馬を想像するでしょうが、その昔は高貴な人の乗り物として牛車が用いられていました。ゆっくりと進む牛の歩行が、ゆったりとした平安期の時間を覗かせます。

お金持ちじゃなきゃなれない?斎王代の決め方と費用

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もうすぐ葵祭 #京都 #京都 #葵祭

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葵祭の平安絵巻のような一行を見物していると本列の後に続く女人列に目が留まります。その艶やかないでたちの一行の中でも特に目を奪われるのは輿に乗り、十二単に身を包んだ女性でしょう。

その女性は「斎王代」と呼ばれる女性であり、葵祭の中核をなしている人物です。この女性が葵祭の主役であると言っても過言ではなく、毎年斎王代を務める女性は京都の名家の女性が多く名を連ねています。

ここでは斎王代にスポットを当てて紹介していきます。

葵祭の主役「斎王代」とは

斎王代とは何なのでしょう。斎王とは斎皇女(いつきのみこ)とも呼ばれて、伊勢神宮と賀茂神社(上賀茂・下鴨神社)に未婚の内親王又は女王が巫女として奉仕した場合にその女性を指します。

斎王代は今の葵祭では斎王がいないのでその代役の呼称です。斎王の「斎」という字は「潔斎(けっさい)」を意味しています。

潔斎とは神や仏に仕えるために、酒肉や男女の交わりを避けて、けがれたものから身を遠ざけそれに触れず、心身を清らかにしておくことを言います。斎王はそういったけがれから隔絶したところに身を置き神に仕えた格式の高い内親王や女王でした。

斎王は弘仁元年(810年)4月、嵯峨天皇の娘である有智子(うちこ)内親王をもってして始まったとされています。斎王の務めは天皇陛下が崩御もしくは譲位した場合、それと同時に斎王が退下する習わしであったようですが、必ずしもそうなるのではなく状況によって継続して賀茂神社に仕えていたケースもありました。

斎王は第1代の有智子内親王から第35代の禮子(いやこ)内親王が退下した建暦2年(1212年)まで約400年の間続きました。その後は再度斎王が置かれることはなく、この制度は途絶えました。

時代を経る中で葵祭も時代の渦に吞まれ、途中で開催を中断せざるをえなくなりました。昭和28年に葵祭自体が復活し、その後昭和31年に女人列も復活しました。

斎王を中心とする女人列を作り出すために、斎王の代わりを務める斎王代を置くことで、往時の華やかさがよみがえりました。

斎王代の決め方

昭和31年に復活した女人列の斎王代は今年までで63人の京都の一般女性が務めています。一般女性が斎王代を務めるのですが、その選考は完全に非公開となっており公募も行われていません。

しかし、選考条件はいくつか存在します。

  • おしとやかで京都にゆかりがある
  • 主に20代の未婚の女性
  • 着物を着なれている
  • 長時間の正座ができる
  • 行儀作法がきちんとできている
  • 支度金が用意できる

この条件を踏まえて三千家(表千家・裏千家・武者小路千家)の推挙により、葵祭の華である斎王代は決まります。支度金はかなりの額であるとも言われていますし、それに見合った教養を求められる結果毎年選ばれる斎王代は京都ゆかりの名家の女性が多いです。

斎王代の身支度にかかる費用

葵祭の見どころでもある斎王代ですが、これまで選任された女性はそれぞれ京都とかかわりが深い寺社や医者、文化人や老舗の女性がほとんどです。その選考基準でも支度金が用意できる人とされています。

ではいったいいくらくらいの費用がかかるものなのでしょう。

斎王代を務めるにあたり、数千万とも言われている費用がかかります。当日の衣装である十二単は用意されるようですが、当日の行列である路頭の儀の費用やその他の神事に係る費用に加えて関係者への食事代、寄付金やクリーニング代などなどです。

毎年執り行われる葵祭も莫大な費用の上に成り立っています。続けていくことの大変さが垣間見える一面だと思いますが、その斎王代を務める名家の方があってこその葵祭でもありますね。

2018年の斎王代は誰?

そんな華やかで葵祭の見どころでもある2018年の斎王代は誰が務めるのでしょう。今年の第63代斎王代には会社員の坂下志保さんが選ばれました。

坂下志保さんの母親も過去に昭和最後の斎王代として第33代斎王代を務めています。母娘で斎王代を務めるのは坂下志保さんで6組目です。

父親は外資系投資会社の社長であり、母親は銘菓の本家八つ橋西尾の専務を務めています。今春に同志社大学を卒業した才女で、趣味は京舞・フラワーアレンジメント・しの笛です。

彼女は以前2009年の中学3年生の時に采女(うねめ)として女人列に参加した経験を持ちます。

2018年の葵祭の日程

葵祭は華美で荘厳な行列である路頭の儀が注目されていますが、前儀として他にもいくつかの取組があります。ここでは路頭の儀のルートや時間、そして前儀を紹介します。

開催日は毎年5月15日

もともと葵祭は旧暦の4月の中の酉の日に行われていました。これは葵祭の起源である五穀豊穣を願った時に行った日付に由来します。

1884年から新暦の5月15日に執り行われることになり、以来続いています。

当日の行列ルートと時間

2018年の葵祭も5月15日(火曜日)に行われます。悪天候に見舞われた場合は順延となり、翌日の5月16日(水曜日)に変更されます。

当日は10:30に京都御所を出発し、一行は最終目的地である上賀茂神社を目指します。その途中のルートは下記のとおりです。

京都御所(10:30)出発~境町御門~丸太町通(11:00頃)~河原町通~下鴨神社(11:40頃)到着

社頭の儀(12:00~14:00)

下鴨神社(14:20)出発~下鴨本通~洛北高校前(14:40頃)~北大路通~北大路橋(14:55頃)~賀茂川堤~上賀茂神社(15:30頃)到着

上賀茂神社到着後に改めて社頭の儀が行われます。途中の下鴨神社と終着点の上賀茂神社で行われる社頭の儀は、勅使が御祭文を奏上して御幣物を奉納した後、神馬のひきまわしと舞人によって東遊(あづまあそび)の奉納をします。

葵祭の前儀

葵祭は5月15日に斎王代を含む行列が、京都の町を練り歩く路頭の儀が行われます。しかし、路頭の儀以外にもおこなわれる神事がいくつかあります。路頭の儀の当日までの神事を紹介しましょう。

競馬会足汰式(くらべまえあしぞろえしき)

日時:5月1日13時ころ~

場所:上賀茂神社

京都無形文化財に登録されている神事です。5月5日に行われる「賀茂競馬(かもくらべうま)」に向けて、馬の優劣や組み合わせを決める儀式です。

流鏑馬神事(やぶさめしんじ)

日時:5月3日13時~15時半

場所:下鴨神社

葵祭の道中を祈って祓い清める神事です。流鏑馬は馬を走らせながら狩装束を着た騎手が矢で的を射抜く神事です。

境内の糺の森(ただすのもり)の馬場で行われます。糺の森に設けられた360メートルの馬場に、100メートル毎3か所に的を設置して次々と射抜いていきます。

矢が的に当たれば五穀が実り、諸願が成就されると伝えられています。この神事は7世紀ごろには行われていたと記録にありますが、明治時代に一度中断をして1973年に再度復活した後、今でも親しまれています。

斎王代禊の儀(さいおうだいみそぎのぎ)

日時:5月4日10時~

場所:上賀茂神社

葵祭の斎王代と女人列に参加する40人の女性が御手洗池に手を浸して身を清める神事です。斎王代は十二単を着て当日の衣装で神事に臨みます。

上賀茂神社と下鴨神社とで毎年交互に場所をかえて行われます。2018年の今年は上賀茂神社で執り行われます。

歩射神事(ぶしゃしんじ)

日時:5月5日11時~

場所:下鴨神社

弓矢を使って葵祭の沿道を清める魔除けの神事です。5月3日に同じ下鴨神社で行われれる馬上からの「流鏑馬神事」と対にして、地上から矢を打つことに由来していて、平安時代に宮中で行われていた「射礼の儀」が始まりとされています。

弓を鳴らして天地四方の邪気を払う「蟇目式」、2本の矢を射て楼門の屋根を超えさせる「屋越式」、大きな的を射る「大的式」、連続的に矢を射る「百々手式」の4つを行います。

賀茂競馬(かもくらべうま)

日時:5月5日14:30~

場所:上賀茂神社

境内の馬場で併せ馬によってその速さを競う競駈(きょうち)を行います。1馬身の差をつけて2頭の馬が駆け、その差が最終的に広がれば前の馬が勝ちで、差が縮まれば後ろの馬の勝ちとなります。

勝ち馬の騎手は賞の禄絹を鞭で受け取った後、頭上で2度回して返却します。馬の方には菖蒲がつけられます。

上賀茂神社は競馬発祥の地とされていて、この神社の祭神の賀茂皇大神は競馬の守護神とされています。

御蔭祭(みかげまつり)

日時:5月12日9時半~

場所:下鴨神社

葵祭に先駆けて、比叡山山麓にある御蔭神社より下鴨神社の祭神である荒御魂(あらみたま)を迎える神事です。御蔭神社で荒御魂を移したのちに帰路の下鴨中通と北大路通の交差点付近から、約1キロの道のりを烏帽子・狩衣姿の神職や氏子たちが馬を引き連れて徒歩で巡行します。

その後糺の森で「切芝の神事」があり東遊の奉納があります。

葵祭の見所

葵祭の見どころはやはり路頭の儀でしょう。約500人にも及ぶ人が平安時代を模した衣装を身に着けて8キロにも及ぶ道を練り歩く姿は荘厳です。京都の街並みも相まって引き込まれます。

平安時代当時の役職の衣装が見られる本列

葵祭の起こりは先に書きましたが、もともとの主役は本列にいる勅使でした。今でも下鴨神社、上賀茂神社の2つの神社で天皇の祝詞を読み上げて幣物を届ける役目をになっており、葵祭で両神社に到着の後に行われる社頭の儀がそれに当たります。

勅使の姿は高貴ないでたちで、衣装は立派な束帯姿で飾太刀を差して、飾り立てられた馬にまたがっています。その他にも騎馬の列や検非違使と呼ばれた警察に当たる人々や東遊を舞う武官である舞人などが列をなし、華やかこの上ないです。

最大の見所はやっぱり斎王代列

葵祭の隊列は大きく分けて5つの列に分類されます。1~4列目は検非違使や牛車、舞人や勅使などが並び、最後の5列目に斎王代を中心とする女人列が務めます。

葵祭の本質から考えると勅使が主役でしょうが、斎王代の雅な姿は観客の目を引き付けて離しません。実際の主役と言ってよく、華やかな女人列は平安期の京都の優美さを現代に再現しています。

沿道の観客から向けられるカメラは、斎王代と女人列を被写体にしてフレームに収める人が多いです。

ベストポジションは有料観覧席

葵祭は京都御苑から上賀茂神社までの約8キロの道のりですが、その中でもベストポジションは出発地点の京都御苑でしょう。隊列を組む約500人の晴れやかな顔は、意気込みが顔に表れていて凛としています。

それを大勢の人が送り出す一体感が葵祭を盛り立てます。有料席は京都御苑の建礼門前の南側と下鴨神社に設けられています。

混雑する沿道を避けて、全ての列をゆっくり見学するのもいいでしょう。

チケット料金

有料席は3種類あります。下鴨神社は一般席のみの用意ですが、京都御苑には葵祭ロイヤルシート、葵祭まなび席の2種類も用意されています。

葵祭ロイヤルシート(72席)

京都御苑のみの席です。全席指定の料金は税込み7,000円です。葵祭ロイヤルシートにはパンフレット・イヤホンガイド・京都御所記念品が付きます。

イヤホンガイドでは葵祭を楽しんでもらえるように、葵祭の歴史や由緒などが専属ガイドの解説を聞くことができます。

葵祭まなび席(162席)

こちらの席も京都御苑のみの用意です。全席指定の税込み5,000円です。

こちらの席にはパンフレット・イヤホンガイドが付きます。

一般席

京都御苑と下鴨神社の2か所で用意されている席です。全席指定の税込み2700円です。

こちらの席はパンフレットが付いてきます。

混雑を避けて見れるおすすめの無料見学場所

有料の見学席は京都御苑内や下鴨神社の葵祭の要所で見学できて、景色や見学をする人たちの一体感が一層楽しく葵祭を感じることができる場所です。しかし、葵祭の行列のほとんどは京都市内の沿道を歩くので無料で楽しめるお祭りです。

ただ、人の多さは否めず、ゆっくり見学できる場所は限られています。いくつかのおすすめの見学場所を紹介しますので参考にしてみてください。

鴨川の沿道

下鴨神社から上賀茂神社に向かう途中で通る鴨川の沿道はおすすめです。道幅が狭いために沿道から行列までの距離が近く、写真を撮るにも適した場所です。

緑の木立の中を進む隊列は時を忘れさせてくれます。川沿いにはベンチもあるので、早く行って場所取りをするとゆっくり座ってみられます。

丸太町通・河原町通

京都御苑を出発して一般道に出ますが、その通りが丸太町通です。大きな通りですが交通量も多く、行列の反対車線側の歩道からでは車が邪魔かもしれませんが、京都のまっすぐに伸びた道なので遠くまで見通せます。

河原町通も同様です。他の場所と比べると人が少ないポイントもあります。

上賀茂神社

混雑は避けられませんが、出発地点の京都御苑と下鴨神社にあるような有料観覧席は用意されていません。早い時間に席取りをすれば、路頭の儀とそこで行われる勅使の社頭の儀を見学できます。

葵祭を無料で堪能できる場所としては最適です。

葵祭の過去の様子です。私たちの日常とはかけ離れた世界を実際に体験してはいかがでしょうか。

まとめ

長い歳月を経て連綿と受け継いできた伝統的な葵祭は、京都の人々のみならずたくさんの観光客の心をつかんで離しません。書物や絵画から飛び出して現代の京都を練り歩く平安時代の名残りを楽しんではいかがでしょうか。

京都は多くの寺社仏閣、歴史の舞台が点在しています。葵祭と併せて歩いてみてください。

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