ヒップホップ数珠繋ぎは、Dandyism Online編集長で元DJの銀河がおすすめの音楽を気まぐれで紹介するコーナーです。「温故知新」をキーワードにサンプリングの元ネタ、ヒップホップの歴史や文化を発信していきます。

今回はMariah Careyのアルバム『Charmbracelet』です。関連楽曲なんかも合わせて紹介しているので、お気に入りの楽曲、元ネタやサンプリングの経緯、ヒップホップの歴史や文化に少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです。

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Charmbracelet / Mariah Carey

アルバム詳細

タイトル Charmbracelet
アーティスト Mariah Carey
レーベル Island Def Jam
リリース年 2002

レビューと解説

Mariah Carey(マライア・キャリー)がデビュー以来在籍していたソニー・ミュージック傘下のColumbia(コロンビア)からVirgin(ヴァージン)へと130億円という驚異的な契約金で移籍。自らが主演する映画『Glitter』のサウンドトラックをリリースするも、映画・サントラともに微妙な結果に……。

Virginからはその『Glitter』のサントラ1枚のリリースだけで解雇されてしまいます。ただ、その時に30億円もの契約解除金を受け取っており、この金額は一瞬で支払われた報酬としては最高金額でギネスブックに掲載されたそうです。

その後Island Def Jam(アイランド・デフ・ジャム)に移籍し、今回の『Carmbracelet 』は移籍後第1弾のアルバムで、スタジオアルバムとしては9枚目のアルバムとなります。

  • 全米ナンバーワンヒットとなった1曲目の『Through The Rain
  • Cam'ron(キャムロン)の大ヒットシングル『Oh Boy』をサンプリングした『Boy (I Need You) feat. Cam'Ron』
  • Ice Cubeの『You Know How We Do It』をサンプリングした『Irresistible feat. Westside Connection』

などバラエティに富んだ内容となっています。

  • アルバム・映画の売れ行き不信
  • そこからくる世間からの「落ち目」の眼差し
  • レーベルからの解雇・移籍
  • 父親の死

などなど様々な困難を乗り越えて作られたマライア堂々の復活作!

トラックリスト

1. Through The Rain

本アルバムからの1stシングルです。テレビ朝日系のドラマ『逮捕しちゃうぞ』(2002年10月17日〜12月12日)のエンディングテーマとしても使用され、日本でも人気となりました。マライアは白人の母親と黒人の父親から生まれており、ミュージックビデオでは当時あまりよく思われていなかったであろう違人種間の恋愛と、そこからの駆け落ちという自身の両親の話を元に作られています。

2. Boy (I Need You) feat. Cam'Ron

アルバムからの2ndシングル。Cam'Ron(キャムロン)の大ヒット曲『Oh Boy』をサンプリングし、Cam'Ron本人を客演に迎えたヒップホップ色の強い作品です。

3. The One

J.D.ことJermain Dupri(ジャーメイン・デュプリ)作。J.D.らしいトラック上で伸びやかに歌うマライアは好きですが、J.D.のシャウトいるかこれ?

4. Yours

シングル『Through The Rain』に続くJam & Lewis(ジャム&ルイス)作。彼らとマライアの共作は良いバラードに仕上がりますね。

実は元々はJustin Tiberlake(ジャスティン・ティンバーレイク)とのデュエット曲だったのですが、現時点ではお蔵入りとされてしまっているようです。

5. You Got Me feat. Jay-Z & Freeway

こちらは『Boy (I Need You) feat. Cam'Ron』に続くJust Blaze(ジャスト・ブレイズ)プロデュース作。『Oh Boy』のような「You Got Me」のフレーズ早回し使いトラックにJay-Z(ジェイ・Z)とFreeway(フリーウェイ)を迎えた哀愁系のミドル曲。

6. I Only Wanted

シングルカットはされていませんが、個人的にかなり好きな曲です。ブリッジのギターの哀愁感漂うフレーズと、そのメロディに合わせるマライア、そこからのラストの大サビの力の入りようが素晴らしいです。

7. Clown

またもギターの哀愁系のトラック上で時に早口に歌うスローテンポの楽曲。プロデュースはDre & Vidal(ドレー&ヴィダル)。

実はこの楽曲、当時ビーフの関係でもあったEminem(エミネム)の3rcアルバム『The Eminem Show』収録の『When the Music Stop』、『Superman』へのアンサーソングなんです。

I done came way too far in this game to turn and walk away, and not say what I got to say. What the f-ck you take me for a joke? You smokin crack? Before I do that, I'd beg Mariah to take me back

What you trying be? My new wife? / What, you Mariah? Fly through twice.

ライブではEminemを彷彿させる金髪のピエロ(Clown)が躍起になったあとで取り押さえられて行きます。

You should've never intimated we were lovers/ When you know very well we never even touched each other.

8. My Saving Grace

ここで少し雰囲気が変わり、ゴスペル調のスローバラードに。後半の昂揚感に溢れるコーラスも、初期のマライアを感じさせる見事な仕上がりです。

9. You Had Your Chance

再びJ.D.プロデュース。ピアノソロのフレーズから一転して入ってくるトラックはなんとびっくりDr. Dre(ドクター・ドレー)とSnoop Dogg(スヌープ・ドッグ)のクラシック『Nuthin' But A "G" Thang』。

トラックはほぼまんまですが、雰囲気はさすがにガラリと変わりますね。

リリースからもう25年以上が経過するのに、色褪せることのないまさにクラシック。しかし2人とも若いですねw

10. Lullaby

良い意味でのマライアっぽくない曲。Dre & Vidalとの共作は、マライアの別な新しい引き出しを開けているみたいですね。

11. Irresistible feat. Westside Connection

今度はIce Cube(アイス・キューブ)の名曲『You Know How We Do It』まんま使いです。さらにIce Cubeだけでなく、WC(ダブ・シー)・Mack 10(マック・テン)も含めたWestside Connection(ウェストサイド・コネクション)全員を客演に迎えています。

12. Subtle Invitation

イントロからブラスのホーンが鳴り響き、生ベースに生ドラムの感じもエレピのメロディも素晴らしい、これまたマライアっぽくない曲です。Mariah Careyというアーティストの振り幅に改めて驚かされます。

13. Bringin' On The Heartbreak

アルバムからの3rdシングル。イギリスのロックバンドDef Leppard(デフ・レパード)の人気曲カバーです。

マライア自身Def Leppardのファンのようで、1991年にギターのSteve Clark(スティーブ・クラーク)が精神安定剤と鎮痛薬の過剰摂取により亡くなってしまったことにひどくショックを受けました。マライアとBoyz II Menによるギネス記録にもなった大ヒット曲『One Sweet day』は彼への追悼の意味を込めた曲でもあります。

14. Sunflowers For Alfred Roy

“アルフレッド・ロイへ贈るひまわり”と題されたピアノバラード。このAlfred Royとは本アルバムの製作中に亡くなってしまったマライアの父親の名で、彼に宛てた内容の楽曲となっています。

15. Through The Rain (Remix) feat. Kelly Price & Joe

ラストは1stシングル『Through The Rain』のリミックス。オリジナルはJam & Lewisによるプロデュースでしたが、リミックスではJust Blazeが担当。

加えてKelly Price(ケリー・プライス)とJoe(ジョー)という豪華な顔ぶれです。ちなみにKelly Priceはデビューまで、Mariah Careyのボーカル指導やバックコーラスとして長年裏方として支えていた関係でもあります。

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